透明なひとりごと

おもにBUMPの曲のこととか。ライブのこととか。

2010/04/10【BUMPシークレットライブ】レポ

BUMPのシークレットライブに行ってきました。
いつものライブほどは長くありませんでしたが、
それでもすごく素敵な時間だった。
 
ということで、
ライブレポを書いてみようと思います。
 
この気持ちが冷めないうちに。
この心地が覚めないうちに。

※この記事は、2010年4月18日にFC2ブログで書いた記事を再編したものです。(2018年1月17日)

  
4月10日 14:50
 
会場へ向かう電車の中には、いつもより若い人が多かったと思う。
六本木に着くなり、みんな競歩状態になった。
それもそのはず、電車が駅に到着したのは、開場時間の10分前!!
(なぜそんなギリギリの時間に行ったんだ自分よ…)

急く気持ちは、どんどんと胸の高鳴りへ変わっていった。 
 
会場は、六本木ヒルズアリーナ。
『supernova』のPVでも使われていた場所。
半屋外で、円形の小広場のような空間だった。
 
周囲をビルで囲まれてはいるものの、
見上げれば、天井は高く、ガラスでできている。
 
加えて、春らしいあたたかな陽気と、
ゆったり流れていく雲……
最高の開放感!! 
 
プラカードの案内に従い、だんだんと入場ゲートに近づいていく。
広場は、ライブのために白い囲いで覆われていて、
外からでも、ちらっと小さなステージが見えた。
 
「狭いなぁ…!」
アリーナライブに慣れていた私は、
こんな間近でBUMPの音楽が聴けるんだと思うと、
嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて!!
 
内心、待ち遠しくて仕方ないし、
誰かとこの気持ちを共有したい、とも思ったけれど、
なんとなく、「はじまるまでは、このワクワクを一人占めするつもりで、大人しくしていよう」と思った。
 
入場できる番号が、いよいよ自分のものと近くなってきた。
 
ステージの向こう側にある桜の樹から、
風が吹くたび、ふわふわと花びらが会場に漂ってくる。
私は、高くやさしく舞う桜吹雪をに見蕩れていた。
 
昨日の今頃は、
今日がこんなハッピーな日になるとは、知らなかった。
(だって、e+の抽選結果を見たの、0時回ってからだったし!)
 
なんていうか、
明日がいい日になるかなんて、
直前までわからないもんだなーなんて、思ったりもした。
 
* * *

15:00 入場開始。

A-1000番までの案内が終わり、 Bの整理番号が呼ばれ始めた。
私の番号は、B-700番。
スタッフさんの 声掛けで、 整理番号10番ずつ、中に案内される。

入場ゲートをくぐり、
中へ入ると、すぐ目の前にステージが。

ゲート脇では、白バックで拍手してる様子を撮られている人たちや、
ホワイトボードに「HAPPY」と書き込んでいる人たちの姿。
『あーアレもPVに使われるんだろうな…!ちょっとやりたい…!! 』
なんて思いつつ 通り過ぎ、自分の場所をとりにいく。

会場は、前後で2ブロックに分けられていた。
そして、前後のフェンスに挟まれるようにして、
会場の真ん中を横切るレールカメラが どどん。

いま思い返せば、
なぜあそこで 立ち止まったのか謎だけど、
後方ブロック、カメラレール(フェンス)から2列目…。
センターマイクを真ん前に臨む場所(会場の前後左右、どセンター。笑)に、
足を止めてしまい、 ぼーっとしているうちに移動できなくなってしまったw

たぶん、無意識に 基央さんの正面に行きたかったんだろうなー。
どセンターの割に、カメラが近かったお蔭で、むしろあまりカメラに映ってないみたい。 いいやら、わるいやら(笑)。

さて、そんなこんなで、
カメラスタッフさんがレール移動したり、色々調節しているのを眺めていたら、
ステージに人が上がってきた。

きっと偉い人なんであろうそのスタッフさんは、丁寧に挨拶をした後、
「これから皆さんには、撮影に協力していただきます。
この映像は、PVやニュースなどで使わせていただきますので…
あんまり顔が有名になってほしくない人は、どうぞ今のうちに後ろへ下がってください(笑)。」
などなど、笑いを交えながら 説明をはじめ、
開演前、若干緊張してきた場を 和ませてくれた。さすが!(笑)。

その後、撮影の偉い人(?)へマイクが渡り、
手拍子のシーンを3パターン、ジャンプシーンを1パターン撮影。

撮影が終わると、
「それでは、開演まで 今しばらくお待ちください。
ご協力、ありがとうございました」

と、みんなの拍手とともに、
スタッフさんはステージから降りていった。

(今思うと、手拍子の間は無音だったなー)

拍手のパターン録りが終わり、しばしの待ち時間。

会場には、洋楽のBGMが戻り、
ステージでは楽器のチューニングが始まる。
まだかなーと思う気持ちは、きっとみんな同じだ。

いつもと違うのは、ここが屋外ってこと。
春の風は、相変わらず 穏やかに会場を包んでいる。

開演時間を少し過ぎた頃。

かかっていたBGMが、いつものあの曲、
THE WHOの「A Quick One While He's Away」に!!
 
 
  き た ! !
 
 
と同時に、後ろから物凄いモッシュ
小さな会場は、上がる拳とともに、一瞬にして熱気に包まれた。
 
私の周囲も、熱量が半端じゃない。
メンバーが出てくるまでに気温が上がった気さえする。
なんてったって柵から2列目にいる私。超苦しい!!(笑)。

でももう、その瞬間からすっごい楽しい!!
すぐに感覚がステージに引っ張られ、舞台袖から出てくるメンバーに釘付けになる。
 
このモッシュに体を預けることもできるけど……
前(柵から1列目)にいるのは、小柄な女の人。
これだけの押しが、一人にいったらツライだろなーと思って、
私も必死で突っ張ってましたw
 
こういうとき、
「苦しい」よりも「楽しい」って感覚のほうが
圧倒的に勝るから不思議だ。
 
相変わらず 細ぇヒロさん、
赤いキャップがお似合いの藤くん、
チャマはおニューの黄色いベースを携え、
秀ちゃんはまさかの半袖短パンw(似合いすぎ…笑)

いよいよだ。

* * *
  
それぞれが楽器を構え、位置に着く。 
歓声のボリュームがすこしだけ静かになって、

ふわー っと 広がる 前奏。

マイク越しに聞こえるブレスの音。

 … そこに 君が
   居なかった事 …


会場全体に藤くんの声が響き、
呼応するように広がる 会場の雄叫び。

初の生演奏、『R.I.P』!!

冒頭のソロが終わり、4人の前奏が始まると、
拳が揺れる! 地面が揺れる!!

隣にいる人の体温を感じると同時に、
私のもつ熱も、どんどん上昇しているのを感じた。

クレーンカメラが上空で動き回る様子は、
プラネタリウムの投影機が首をもたげる様子にも似ていて、
BUMPのつくり出す世界が、確かに映し出された。

途中、転調の箇所でテンポを取れなくなり、
拳やジャンプがバラバラっとなる様子も、ライブ初演奏ならではのもの(笑)。
そこに立ち会えて、幸せな瞬間だなぁ!と、ひしひし、ビリビリ、感じる。
きっと あの時の私は満面の笑顔だっただろう。

R.I.Pの演奏が終わり、会場からは 再び雄叫びが。
それが おさまると、藤くんが開口一番、

藤「お☆□ぅ※… お久しぶりです、BUMP OF CHICKENです」

噛んだwww

藤「緊張してるんだよ、ライブ久しぶりだから…1年と10ヶ月ぶり?」
直「いや、2年経ってるよ(笑)。」

ずっと収録でスタジオに籠っていたという彼らだけど、
こういうやりとりは、ずっと変わらない(笑)。

藤「今日は、新曲を早くみんなに聴いてもらいたくて、こういう場を設けました。ほんと、来てくれてありがとう」

そして、

藤「じゃぁ、」

おもむろに楽器を構えると、

藤「聴いてください、『HAPPY』」

引っ掻くような、ギターのガガッという音。
 
最初はえっ!?と思ったけど、
そういう入りなんだ!とわかった瞬間には、
みんな、自然と手拍子を始めていた。

さっきは撮影の兄さんに合わせて手を叩いていたけれど、
私たちは今、音に合わせて、手を叩いている。
BUMPのメンバーと一緒に音を楽しんでるんだ。

健康な体があればいい 
大人になって 願う事 …

唄が、始まった。
会場全体が、懸命に歌詞を聴き取ろうとしているのもわかったし、
みんな、唄を自分の中に取り入れようとしているんだとも感じた。

終わらせる勇気があるなら 
続きを選ぶ恐怖にも勝てる


あー…
 
泣きそう。
 

Happy Birthday


藤くんの歌声と、
ヒロさん、チャマのコーラス、 
力強く放たれる秀ちゃんのドラム。

悲しみは消えるというなら
喜びだってそういうものだろう

なんか食おうぜ そんで行こうぜ

勝ち負けの基準もわからない
だけど確かに守るものがある

続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う
無くした後に残された 愛しい空っぽを抱き締めて

どうせ いつか 終わる旅を
僕と一緒に 歌おう


手元に歌詞カードはない。
自分の耳だけを頼りに、
彼の喉から、その奥から、
紡がれる言葉を、注意深く拾う。
 
春の風がそよそよと顔に当たって、
そこに流れる音は、あの日の天気によく似合っていた、と思う。
 
けれど、
ライブのときも、後日、家でCDを聴いたときも、
歌詞を聴くほどに感じるのは、そんな「明るさ」や「ポップさ」とは裏腹の、
むしろその音と対極にあるような…得体の知れない“重たいもの”だった。

「Birthday」という言葉の、真逆のベクトルから訴えてくる“なにか”。
きっとこの曲でまた、BUMPはたくさんの人を泣かせ、笑わせるんだろう。

藤「……まだ帰らないけどね(笑)。」 

演奏が終わり、
興奮冷めやらぬ中、ふいに冗談をかます藤くん。

藤「あれですか、手拍子の練習とかしたんスか。ホワイトボードに『HAPPY』って書いた人いるんスか。
あぁ…ちらほら、いるね、うん、ありがとう。もぅ、ガシガシ使わしてもらうから(笑)。
…そんじゃ、あともう一曲だけ…。これ やったら、さーっと帰るから!(笑)」 

会場からは、案の定「えー!!」の声。
そんな声すら 面白がるように、すこし微笑んでいる(ように見えた) メンバー。
 
惜しむべき、最後の一曲が始まった。

叱られた後にある 晩ご飯の不思議

みんなのうた』でも公開された『魔法の料理~君から君へ~』。
もちろん、生で聴くのは初めてだ。

君の願いは ちゃんと叶うよ
楽しみにしておくといい

これから出会う宝物は
宝物のままで 古びていく


この曲の前半、間奏まで歌い上げた頃。

これ以上ないってくらい最高のタイミングで、最上級の演出が起きた。
(起きた、っていうのも、おかしな話だけど) 
 
先ほどから そよいでいた風が、
すこしだけ 強まって…
 
 
ひらひら、
 
ちらちら、

さらさらーっ と
 
 
メンバーの後ろから、
会場全体に桜吹雪が舞ったのだ。

その画の美しさといったら、もう。
 
演奏中な手前、控えめではあったけれど、
会場から「わぁ…!」というかすかな歓声が上がるほどだった。
  
お話を紡ぐように歌う藤くんの声は、
舞い散る桜とともに、会場を包み…
 
すぅ っと、
 
余韻を残して 終わった。

* * *

各々が挨拶をして、ステージを降りて行く。

直「ありがとう」

増「また会おう」

藤「どうも ありがとう」

ステージを去るメンバーを見ながら、
「楽しい、気持ちいい、あー…!!」と
その感覚のこと以外、なにも考えていなかった。
 
退場しようとするでもなく、
ただ、ぼーっと立ちすくみ、最後に残された余韻を反芻するばかり。

きっと、私だけじゃなかっただろう。
ライブ後の、一息。すこしだけ余韻に浸っていた。
『アンコール、したらもう一度歌ってくれるのかな…』
そんなことをぼんやり考えているうちに、

なんと、彼らからステージに戻ってきてくれたではないか!
 

会場からは、本日何度目かわからない大歓声。
ステージに戻ってくるなり、

直「もう一曲やらせて!!」

と叫ぶチャマ。
 
各々、楽器の準備を済ませ、MCを始めた。

藤「時間、余っちゃった」

直「俺らもね、むしろ押してると思ってたんだけど(笑)。
ヒロも、ほら…また、家帰って『あぁ、あれ言っとけばよかった』みたいにならないように…喋っとけよ!」 

増「え…いやぁ…ねぇ、本当に、良い天気にも恵まれて…。
桜ですか、すごい綺麗で……気持ち良く歌わせてもらってます、ありがとう」
(この後、さらにヒロさんが何か言おうとしてたような気もする、けど、見事に遮られて流れてた。笑)

直「ほんと、アンコールできるなんて、思ってなかったから…何も用意してなかったんだよね(笑)」 

メンバー一同、できるかどうかわかんない、みたいなこと言い出す始末(笑)。 
そんな愛すべきぐだぐだ感とともに、再び音が鳴り始める。

このイントロは……

ガラスのブルース!!

ガラスの眼をした猫は歌うよ
大きな声で りんりんと

生まれてきた事にイミがあるのサ
一秒も無駄にしちゃイケナイよ

嵐が来ようが 雨が降ろうが
いつでもFULLWOWERで
空を見上げて笑いとばしてやる!! 

わざわざ『FLAME VEIN』の歌詞カード引っ張り出して、
手書きの歌詞↑書き出しちゃうくらい好きな曲。
生で、この距離で聴けて、本当によかった!!

* * * 
 
規模としては、「ミニ」なライブだったけど、
彼らの音は、決して「ミニ」に収まってなんかいない。
 
このライブで、BUMPの「変わらない芯」を強く感じた。
いや、「変わらない芯が、強く硬くなっていってること」を、かもしれない。
 
私はギターもベースもドラムも触ったことがないので、詳しいことはわからないけれど、素人耳にも、演奏技術が高くなっていってるのも、わかる。

ガラスの眼をもつ猫は ☆になったよ 
大きな声も止まったよ

命のカケラも燃やし尽くしてしまったネ
得意のブルウスも 聴けないネ

だけどオマエのそのブルースは
みんなの HEARTの中に刻まれた

これからツライ事がもしあったなら
皆は唄いだす
(オマエら絶対歌え!!)

藤くんが会場にマイクを委ねる。

ガラスの眼を持つ 猫を思い出して
空を見上げて ガラスのブルースをー!!!!
 

この大合唱、
10年後も20年後も続いてほしいなぁ、と思った。

 

* * *

 
どのタイミングで入ったMCだったかは忘れてしまいましたが、
客席からの「お誕生日おめでとー!!」の声に、
会釈しながら手を合わせる藤くん。
 
言葉は返さなかったものの、
少しはにかみながらギターに手を伸ばし、

片手で、
「3」(スリーピース) 、
「1」(人差し指一本) と示して、
口の端でにやっと笑う。

黄色い声こそ上げませんでしたが、その様子が個人的にツボすぎた…。あれはずるい。

* * *

あとがき

次の日のニュースでは、「BUMPシークレットライブに1500人(ソースによっては、2000人?)」みたいなこと言われてました。
5万通の応募に対して、1500人って……3%ですよ!!

会場の整理番号プラカードを見る限り、
A-1000、B-1000までは確実に番号があったし、
Cの整理番号を呼んでいるのもちらっと聞こえたので、
当たっていても、時間や距離などの理由で来られなかった方や、
当選に気付けず来られなかった方も、たくさんいたんでしょう。

そんな中、貴重な場に参加することができたこと、
本当に感謝しなきゃなぁと思います。

その気持ちも込めて、 行けなかった人へ、少しでも何か伝えられたらなーと思い、
ぐだぐだではありますが、レポを書いてみました。
 
特にMC、うろ覚えな箇所が多くて、どれが誰の台詞だったかが曖昧…。
どの曲とどの曲の間に、なに喋ってたか、私の頭の中でごっちゃになってるかもですが…(ごめんなさい;) 
とりあえず、空気感だけ 伝えられればいいな…と思います。
 
しかしまー
途中から、私の手癖(というか、文章癖?)満点な感じになってしまい、
読みづらいと感じた方も いらっしゃったかもしれません。
 
そんな中、最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

※この記事は、2010年4月18日にFC2ブログで書いた記事を再編したものです。(2018年1月17日)